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1.1.5 入力データスクリプト

計算内容により、下記のような既存スクリプトが用意されている。 これらのスクリプトをexlist.sh中に記述して使用する。 既存のスクリプトの中に、行ないたい計算内容が含まれない場合は、 スクリプトを新たに作る必要がある。

ex_opte.sh
電子系の収束を行い、最後に原子に働く力と系の圧力を計算する。

ex_opte_more1.sh
電子系の収束で、ex_opte.shに続けて、さらに電子系の収束を行い、 最後に原子に働く力と系の圧力を計算する。

ex_opte_more2.sh
電子系の収束で、ex_opte.shまたはex_opte_more1.shに続けて、 さらに電子系の収束を行い、最後に原子に働く力と系の圧力を計算する。

ex_pf.sh
収束した電子系から原子に働く力と圧力を計算する。

ex_opts.sh
収束した電子系から原子構造の最適化を行なう。

ex_md.sh
収束した電子系から分子動力学を実行する。

ex_ecut.sh
波動関数のカットオフエネルギーを変化させながらいくつもの電子系の 収束を行なう。

ex_ecut.sh
電子密度のカットオフエネルギーを変化させながらいくつもの電子系の 収束を行なう。

ex_ksmp.sh
k点のサンプル数を変化させながらいくつもの電子系の 収束を行なう。

ex_sppt.sh
スぺシャルポイントを作成するためにCPVOを動作させて JKSMP=3用の入力ファイルを作成する。 (動作確認がされていないIBRAVが多数存在するので注意が 必要である。)

ex_multi-a.sh
格子定数$a$の値を変化させながらいくつもの電子系の 収束を行なう。

ex_bond.sh
変数dbondの値を変化させながらいくつもの電子系の収束を行なう ことができる。 デフォルトでは、電子系の収束には、ex_opte.shを用いており、 exportした変数dbondが何処にも指定されていない。 sample.dat.shの座標の指定に変数dbondを使うことにより、 クラスターの原子間距離などを変化させながらいくつもの電子系の収束を 行なうことができる。

ex_optl.sh
一つの圧力(外圧)値を指定して、格子定数の最適化を行なう。 ファイルexlist.shにあるように、celldm0のコピーと ex_opte.shの計算を行なった後に、このスクリプトを動かすように する。
ex_pres.sh
複数の外圧値を指定して、各々の圧力に対して、順次、格子定数の最適化を行なう。 ex_optl.shを動かした後に、このスクリプトを使うようにする。

ex_optls.sh
一つの圧力(外圧)値を指定して、格子定数と原子位置の最適化を行なう。 ファイルexlist.shにあるように、celldm0のコピーと ex_opte.shの計算を行なった後に、このスクリプトを動かすように する。

ex_press.sh
複数の外圧値を指定して、各々の圧力に対して、順次、格子定数と 原子位置の最適化を行なう。 ex_optls.shを動かした後に、このスクリプトを使うようにする。

ex_ek.sh
収束した電子の波動関数を用いて結晶に対するバンドの分散関係を計算する。 (出力するバンドの本数は、このファイル内のiupstaなどで指定する。)

ex_fs.sh
収束した電子の波動関数を用いて結晶に対するフェルミ面を描くためのデータを 計算する。 (固有値を計算する格子のきざみ数をこのファイルの先頭部分で指定する。)

ex_lmc.sh
収束した電子の波動関数を用いて部分状態密度を計算する。(項目1.3.7参照)

ex_eig.sh
収束した電子の波動関数を用いて全状態密度のみを計算する。(項目1.3.8参照)

ex_dos.sh
収束した電子の波動関数を用いて部分状態密度(四面体法)を計算する。 (項目1.3.9参照)

ex_dos1.sh
ex_dos.shの途中から部分状態密度(四面体法)を計算する。 (項目1.3.9参照)

ex_lmc.sh
収束した電子の波動関数を用いて部分状態密度を計算する。(項目1.3.7参照)

ex_bchg.sh
収束した電子の波動関数を用いて指定する軌道状態の電子密度の空間分布を 計算する。

ex_spr.sh
ノンコリニアー磁性計算の場合(NSPIN=4)に、系全体の量子化軸の方向 を回転させて変更する。(変更の仕方は、スクリプトsample.dat.sh内 のspnrot.datで指定する。)

ex_omega.sh
一つの体積値を指定して、異なった格子定数の場合の電子状態を計算する。 (IBRAV=4,5のブラベー格子型のみ使用可能)

ex_lc-bm.sh
格子定数を変化させながら電子状態を計算し、全エネルギーや圧力値から 平衡格子定数と体積弾性率を計算する。 (IBRAV=1,2,3,4,5,6,7のブラベー格子型 のみ使用可能)

ex_dval.sh
X線回折実験にて用いられる反射面の間隔$d(hkl)$値を計算する。 電子系の収束計算とは関係なく計算し、構造因子の消滅則などを得る。

ex_optechk.sh
入力データをあらかじめ確認するために、用意されたもので、 ex_opte.shの始まりの部分だけ(PPの読み込みまで)を実行する。 大きな計算やジョブ待ちの長いシステムなどで用いる。

atpdesign.sh
単純金属の表面、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノリボン、 クラスター等の原子配置を作成する。電子系の収束を行う前に実行し、 スクリプトsample.dat.sh内の原子配置データをあらかじめ計算 するものである。

これらの各スクリプト中で、 editと書かれた行の前後に編集すべき変数がある。 自動化できない部分や計算対象に大きく依存する変数は、その都度設定し直す 必要がある。詳細は、節1.3を参照。


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Copyright (C), Tatsuki Oda (oda@cphys.s.kanazawa-u.ac.jp, Kanazawa University)