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1.3.9 ex_dos.sh

電子系の収束の後に、状態密度を計算する。状態密度の計算には、四面体法を 用いる。そのために、フェルミ面を計算するときと同様のk点を使用する。 全状態密度、原子に付随する軌道角運動量量子数で分類した成分($\ell=0,1,2$)を 計算する。途中の計算データとしてprjaoを作成し、そのファイルを 読み込んで、caldos.xにて状態密度を計算する。 GNUPLOTに対する入力データを出力する。(項目6.1.3参照)

MK1,MK2,MK3
平行六面体のBZを$\Gamma$点を通るように格子上に刻むが、その刻み数を 指定する。特別な場合以外は、偶数を指定する。奇数を指定すると ウィグナーサイツセルのB.Z.境界のk点を指定できない場合が 増えて、バンホブ特異点の効果を十分に採り入れることができない。 特別な場合であるスラブ系などといった人工的周期系では、その周期の方向は、 刻み数を1にすればよい。
nopartial
0を指定する。(ex_eig.shでは、1を指定する。項目1.3.8参照)
cnt, natm
カーボンナノチューブの場合のオプションで、アームチェア型の場合のみ、 cnt=1とし、炭素原子数をnatmに指定する。フェルミ準位付近 のDOSがゼロとならないように補正する。 上記の場合以外は、cnt=0とする。
isymfs
結晶の対称性を考慮して、格子上に刻まれた点を既約ゾーンに還元して、 固有値を計算する場合に1を指定する。格子上の点を全て計算する場合は、 0とする。
jtetra
状態密度を四面体法で計算するので、1を指定する。
jupdw, iupsta0, nupsta0, idwsta0, ndwsta0
この機能使用するときは、jupdwに1を指定する。0を指定すると 電子系の収束で用いたすべてのバンドに対して、状態密度を計算する。 状態密度を計算する始まりバンド指数iupsta0と バンドの本数nupsta0を指定する。 NSPIN=2の場合は、ダウンスピンに対しても idwsta0, ndwsta0に同様に指定する。 それ以外の場合(NSPIN=1,4)は、それぞれ0としておく。 ダウンスピンの始まりidwsta0は、ダウンスピンの始まりから 数えたバンドの番号を指定する。
例えば、NSPIN=2で、 アップスピンの軌道とダウンスピンの軌道がそれぞれ10個および12個合計 22個のKS軌道を計算しているときに、全ての軌道の状態密度を計算する場合、 iupsta0=1, nupsta0=10, idwsta0=1, ndwsta0=12の数値を指定する。
einit, efin, edel, ewth
einitefinには、計算するエネルギー状態密度のエネルギー 範囲を始まりと終りをeV単位で指定する。 edelには、エネルギーに対するデータの刻幅を指定する。 ewthには、ガウス型関数の幅をeV単位で指定する。
NPDOS, ISPDOS, NAPDOS, IA1,IA2,..
同じ種類の原子に対して、組み合わせた部分状態密度を計算したい場合に NPDOSには、状態密度の本数を指定し、ISPDOSに原子の種類を 指定し、NAPDOSには原子の個数を指定し、IA1,IA2,..には、 その個数分の番号を指定する。
jobstart
すでにファイルprjaoが計算されている場合は、 jobstartに対して
echo '0' > jobstartとして計算を行うことにより、状態密度だけを 再計算
(caldos.x)することができる。
ファイルprjaoについて
このファイルは、echo '1' > jobstartとして計算を行なうと、 バンドの固有値と部分状態密度を計算するためのLM成分が書き込まれる。 prjaoを作る計算は、少し大きな系になると、計算時間が非常に かかる。


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Copyright (C), Tatsuki Oda (oda@cphys.s.kanazawa-u.ac.jp, Kanazawa University)