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1.3.1 cpvo.sh

計算コードCPVOを実行するための、最上位のスクリプトである。 このスクリプトの最後の部分で実質的な実行が、スクリプトexlist.shに 移行する。

ディレクトリの指定
ホームディレクトリー(${hmdir})、 ワークディレクトリー(${wkdir})、 ディレクトリーネーム(${dirname})、 実行ディレクトリー(${rundir})、 プログラムディレクトリー(${pgdir})、 テンポラリーディレクトリー(${tmpdir})など を指定する。
hmdir,wkdir,dirnameに関しては、 現在のディレクトリーと矛盾しないよう に指定する。 プログラムディレクトリー(${pgdir})、 テンポラリーディレクトリー(${tmpdir}) には、計算環境を考えて、制御アクセスが早いディスクまたは 別のディレクトリーを指定するとよい。 kpdirには、空間群の対称性を考慮した場合のk点のファイルを 格納しているディレクトリーを指定している。 (変更不可) s0rdirには、 $S_{0}({\bf r})$のデータファイルが格納されている ディレクトリーを指定している。(変更不可)
drvname, machine, frt
drvname, machinenew.shで使用するもので、計算環境を 指定している。 frtは、OPEN文で外部ファイルを指定しないときに用いられ るデフォルトの名前に使用する文字列を指定する。第7章に 具体的計算環境についての説明がある。
szeror
イオン化状態での計算の場合、 $S_{0}({\bf r})$のファイル名を指定する。 ディレクトリーs0rdir内にファイルが存在しなければならない。
occupation
フェルミ準位の取り扱いにより文字列metalまたはsimpleを 指定する。通常、metalは、金属や半導体に使用し、 simpleは、クラスターや液体の$\Gamma$点近似計算や絶縁体に 使用する。
temppj0, jefsm0
jefsm0でフェルミ準位でのぼかし方を指定し、 temppj0でぼかし幅(単位:Ha)を指定する。詳細は、 節2.10を参照。occupation=simpleの場合も、 データ出力のために使用されるが、全エネルギー、波動関数、電子密度 に影響はない。
ecutw0, ecut0
平面波展開のためのカットオフエネルギーをRy単位で指定する。 ecutw0は波動関数に対するカットオフ、ecut0は、 電子密度に対するカットオフ。 デフォルトスクリプトex_ecut.shでカットオフ依存性を 計算する場合は、この指定は無視される。
acog0, sigg0, e0g0
平面波数を一定にして、波動関数の有効的なカットオフエネルギーを一定 に保つために必要な入力。圧力一定の分子動力学などを行なうときに 使用する。使用しないときは、acog0に0を指定する。 sigg0, e0g0は、acog0が0でないとき有効となる。 acog0が有効であるとき、 e0g0に目的の有効カットオフエネルギーを指定する。 このとき、前行で指定するecutw0は、平面波を作るために使用される ので、格子定数の変化でカットオフe0g0の精度に必要な平面波数が 再現できるように、e0g0よりも十分大きめにとる必要がある。 sigg0には、数Ryの値を代入し、acog0には、100Ry程度の 大きな値を代入する。節3.2.2を参照。
emass0, hmass0
emass0には、カー$\cdot$パリネロ法で用いる波動関数に対する質量を 指定する。hmass0(単位:a.u.)には、擬固有値行列に対する質量を 指定する。ただし、
occupation=metalの場合に有効である。 hmass0は、emass0の2倍が目安である。
epsekc0
電子系の収束精度を指定する。波動関数の力学変数による運動エネルギーが この値を下回ると、電子系が収束したと見なして、カー$\cdot$パリネロ法 のステップを打ち切る。デフォルトは、epsekc0=1E-9として いるが、大きな系を計算する場合は、大きな値にするのが実用的である。
iatpfile
初期原子座標の読み込み方を指定する。ただし、限定された使用法しか 許されていない。sample.dat.shで初期座標を指定する通常の 場合は、iatpfile=0である。sample.atp.shで、 プリミティブ格子軸の座標で初期座標を指定する場合はにのみ、 iatpfile=1を使用できる。後者の場合、格子定数の最適化を 行なう場合に使用する。
ifmol0
分子性結晶などで、初期原子座標の読み込み方を指定する。 sample.dat.shで初期座標を指定する通常の場合は、 iatpfile=0であり、同時に、ifmol0=0を指定する。 プリミティブ格子軸の座標で分子の中心を指定した後に、分子の初期座標 を置く場合に、ifmol0=1を使用する。ex_opte.shex_optls.shと合わせて使用することができる。 ${datfile}.atp.shファイルの中で、分子内の座標を指定する。 ただし、まだ全ての分子が同じ方向を向いたものしか指定できない。
rlatsum
実空間での最近接原子間の和をとる場合の方法を指定する。 単位胞の大きさが小さい結晶系の計算には、rlatsum=1を指定 し、クラスターや液体などの単位胞が大きい場合は、rlatsum=0 を指定することができる。 どんな系の場合も、rlatsum=1を指定しておけば、計算に間違いは ないが、使い分けることにより、必要のない計算を省くことができる。
spgr
結晶系の場合に、k点が格納されているディレクトリー名を指定する。 複数k点のサンプリング法 (項目3.3.4を参照) JKSMP=3,6の場合に有効である。$\Gamma$点サンプリングの 場合は、変更しなくてよい。
kptsdat0
k点サンプリングのファイルを絶対パスで指定する。 JKSMP=1,2,4,5の場合は、ファイルを作成し、そのファイルの パスを指定する。ファイルの書式は、節3.3を参照。
ekdisp0
分散関係のラインを指定するファイルを絶対パスでそれぞれ指定する。 ファイルの書式は、項目1.4.5を参照。
exstyle, numcpu
並列計算の場合は、exstyle=p、非並列計算の場合は、 exstyle=sと指定する。 並列計算の場合は、並列台数をnumcpuに指定する。 ただし、SR8000の場合は、ここでの指定は、無視されるように なっており、qsubコマンドで、並列台数をオプション(-N)を 用いて指定する。詳細は、表6や章7を 参照。


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Copyright (C), Tatsuki Oda (oda@cphys.s.kanazawa-u.ac.jp, Kanazawa University)