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 ■計算物性研究室の歩み


  (第一期:1966年頃)
    山崎 正利 教授     素粒子論及び一般性相対理論、
    木村  実  助教授    場の理論,固体物理学及び
    樋渡 保秋 助手     統計力学の基礎

  (第二期:1989年〜)
    山崎 正利 教授
    木村  実  教授     上記(第一期)に加え計算物理学
    樋渡 保秋 教授
    高須 昌子 助手

  (第三期:1995年〜)
    樋渡 保秋 教授     上記(第二期)に加え第一原理計算
    高須 昌子 助教授    スタッフの所属は1996年4月に
    小田 竜樹 助手     物理学科から計算科学科へ移る

  (第四期:1999年〜)
    樋渡 保秋 教授
    高須 昌子 助教授    上記(第三期)とほぼ同じ
    小田 竜樹 講師

  (第五期:2004年〜)
    樋渡 保秋 教授     (2006年3月退官の予定)
    斎藤 峯雄 教授   
    高須 昌子 助教授    上記(第四期)に加え半導体物理、
    小田 竜樹 講師     QMD(量子分子動力学)など

  (第六期:2006年〜2009)
    斎藤 峯雄 教授   
    高須 昌子 助教授    上記(第四期)に加え半導体物理、
    小田 竜樹 助教授    QMD(量子分子動力学)など
    石井 史之 助手     

  (第七期:2009年〜)
    斎藤 峯雄 教授      高須 昌子准教授が、
    小田 竜樹 准教授    東京薬科大学・生命科学部の教授に転任した。
    石井 史之 助教 



(第一期)

 物性理論研究室の正式な発足の年月は必ずしも明確でない。第一期(1966年頃)を境に物性理論研究グループらしきものができたように思う。当時はスタッフ三人の専門領域もバラバラであったが、学生(4年生の講座配属と院生)の入口としての形は一応整っていたと記憶する。スタッフの主な研究分野は以下のようであった。

   ○素粒子論及び一般性相対理論
   ○場の理論
   ○固体物理学及び統計力学の基礎





































(第二期)

 研究室に顕著な変化が現れたのは、高須昌子(東京大学大学院理学系研究科修了)助手を迎え入れた頃である。これを第二期とすることにしよう。この時期には計算物理学(第三の物理学と呼ぶ人達もいた)の研究が大分盛んになり出した。これ迄はとても解明することが不可能であった複雑な系、複雑なプロセスを、計算機シミュレーションの方法によって試みる研究が新鮮で魅力的なものとして多くの物性理論研究者に受け入れられるようになった。当物性理論研究室もこの分野の研究に精力的に入って行ったと考える。




(第三期)

 次いで、小田竜樹(大阪大学大学院基礎工学研究科修了)助手を新しく迎え入れた頃を第三期と呼ぶことにする。これを境に物性理論研究室は名実共に計算物理学研究室となったと考えてよい。研究の対象も固体、液体、アモルファス、高分子、クラスター等々と研究の守備範囲を広げ、計算手法も、分子動力学、モンテカルロはもとより、電子状態をとり入れた量子系のシミュレーション等計算物理学研究の拠点を形成するようになった。




(第四期)

 平成8年4月に物性理論研究室のスタッフ全員(三人)は物理学教室から抜け出して、理学部に新しく誕生した計算科学科に移ることとなった。この頃を第四期と呼称することにする。その後も当分の間は内容的にはさしたる変化もなかったが、この頃からは計算物理学から計算科学に呼称も視野も変わったように思う。




(第五期)

 2004年4月に新しく斎藤峯雄(NEC)教授を迎え入れ現在に至るが、これを第五期と呼称することにする。研究内容も物理と化学の両(あるいは中間)領域を視野に入れる体制が一応整った。



(第期)

2006年、樋渡教授が名誉教授となり、石井 史之氏が助手(20074月より助教)として新たに加わる。




  計算科学の将来を考える際、現実の問題を具体的に解いて明らかにすることが第一義的に考えるのが分かりがいいし、特長が出ることに疑念はない。実際、計算機シミュレーションの方法だからこそ始めて可能性が出るような新しい科学の方法論の創生に向けて努力することが最大の魅力と考えられる。この意味でも、計算機シミュレーションは従来のフォローアップ型研究からプレディクションを主体とする方向に180度方向転換せざるを得ない。物性理論研究室の名称も計算物性研究室と変更し、これ迄のベールをはいで新しい時代へと進む。