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1.3.11 ex_ek.sh

電子系の収束後に、分散関係を計算する。まず収束した波動関数から電子密度を つくる。それを入力として、分散関係を描く線に沿って作成したk点に対して 波動関数を収束させる。収束させたk点の固有値を ファイルekdispに書き込み、それを入力データとして、 分散関係を、GNUPLOTのデータとして計算する。 どのような線上に沿って、分散関係を描くかは、cpvo.sh内で ekdisp0に指定したファイルに書いておく。書式は、項目1.4.5で 説明されている。

nekmesh0
分散関係を計算するk点の刻数を指定する。波数空間の$2\pi/a$の長さを ここで指定する個数分に分割することを指定する。必要がなければデフォルト の設定でよい。格子定数に偏りがあるような場合(カーボンナノチューブなど) で、分散関係を計算するようなときは、注意が必要である。 カーボンナノチューブの軸を$c$軸方向にとり、周期境界条件で計算する場合、 B.Z.境界までの$c$軸方向の刻数は、 ${\rm nekmesh0}\times (\pi/c)/(2\pi/a)={\rm nekmesh0}\times a/2c$と なり、 nekmesh0の既定値20では、大きすぎる結果になる。
einit0, efin0
分散関係を出力する場合のエネルギーの下限と上限をeV単位で指定する。 目的の系に対して余裕をもった値にしておけばよい。
tsurf, zsf1, zsf2
表面の計算(このコードでは表面は、ab平面に垂直)をするときに、 表面状態の軌道を計算するとともにそれを 分散関係の上に図示したいときに、tsurf=.true.を指定する。 このとき、表面の真空層の領域をz軸方向の座標で指定する。zsf1が 下限で、zsf2が上限であり、a.u.単位で指定する。 表面原子より上から真空層の真中までを指定すればよい。
shaei
表面ブリルーアン域に射影域を描くデータを計算する場合に1を指定する。 それ以外は0を指定するこのオプションが有効なときに、 nekmeshも同様に有効である。このとき奇数が指定されても切り 上げられた偶数が使われる。
shadow
現在は、fcc格子の(001)面、(110)面、(111)面についてのみ適用する ことが可能であり、 それぞれ、文字列fcc110, fcc110,fcc111を指定する。 これを用いるときは、分散関係の線を指定するekdisp-lineに それ専用のデータを指定する必要がある。(utility/shaeiを参照)
ekplotonly, efermi
すでにekdisp, eksurfchgがすでに存在しており、分散関係を 描画するための データを作成するときにekplotonly=1を指定する。 これを指定したときは、あらかじめ分かっているフェルミエネルギーを efermiに指定する。


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Copyright (C), Tatsuki Oda (oda@cphys.s.kanazawa-u.ac.jp, Kanazawa University)