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2 実在現象とモデル化

物質の3態(基本的な状態)

固体:結晶、非晶質(アモルファス) $ \longrightarrow$ 弾性体理論(または連続体力学)
液体:               $ \longrightarrow$ 基礎理論が複雑 →計算機
気体:               $ \longrightarrow$ 気体分子運動論



分子$ \cdot$ 原子集合体(原子分子クラスタ): 原子や分子がいくつか(数個−数千個)結合した状態)



その他の状態
ゲル、ゾル:ゾル状態が架橋してゲル状態
プラズマ:原子核と電子が分離したような状態
原子核の中:核子(中性子、陽子)、クォーク
宇宙:ダークマター(?)



固体とは何か、どんな特徴をもつか
 原子が拡散しない、平衡位置の回りで振動運動
 マクロな形状を変化させるために大きな力が必要



液体とは何か
 原子が拡散している、粒子が互いに力を及ぼしあっている (これを相互作用と呼ぶ)
 マクロな形状を変形させることが容易



気体とは  原子または分子が拡散している、各粒子がほぼ独立に運動




温度圧力相図

気体のモデリング  $ \longrightarrow$ 気体分子運動論, 状態方程式(ファン-デル-ワールスの状態方程式など)



結晶のモデリング
  (A)電子をあらわに使ったモデリング 量子力学の履修が必要

$\displaystyle    (注目する原子核に働く力)=
 (他原子核から及ぼされる力)+(電子からの力) $ (1)

   $ \ast$  :電子の運動は、古典力学では記述できない。量子力学に従う。


  (B)原子に対するポテンシャル

$\displaystyle     原子に働く力=−(有効ポテンシャルの勾配)$ (2)




モデリングの要点
  (a)必要な解析を可能にする手法を採用する
   (どのレベルの粒子をあらわに扱うか 例えば、古典力学か量子力学か      原子だけを扱うか、原子核も電子も扱うか)
  (b)ポテンシャルエネルギーを決定する
   力は、ポテンシャルエネルギーの勾配に負符号を付けたもので与えられるので
   通常、ポテンシャルエネルギーが書かれる
  (c)境界条件を決定する


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Copyright (C), Tatsuki Oda (oda@cphys.s.kanazawa-u.ac.jp, Kanazawa University)