next up previous
Next: 基本並進ベクトル, 逆格子ベクトル Up: jj-kougi Previous: 11 数値積分

境界条件

シミュレーション条件により適切な境界条件を設定することで、小さな系のシミュレーションでもマクロな系の性質を調べることが可能となる。

周期境界条件

$ N$ 個の粒子が$ 3$ 辺が $ L_1,L_2,L_3$ の立方体の箱の中で運動しているとすると、

r5cm \includegraphics{figure7.eps}

$ 0\leq x_i<L_1$
$ 0\leq y_i<L_2$
$ 0\leq z_i<L_3$






周期境界条件では、箱から出た粒子は(出た壁の対面の壁から出たときの速度で箱の中に入ってくるとする。) 箱の反対側から入ってくるとする。入ってくる粒子の速度は、出たときの速度。

$ 2$ 次元で考える。






\includegraphics{figure8.eps}

粒子$ i$ が、基本セル外に出たときの処理。(座標の更新の後に行う)

\begin{displaymath}
\begin{cases}
x_i>L & ならば \quad x_i \longrightarrow x_i...
...
x_i<0 & ならば \quad x_i \longrightarrow x_i+L
\end{cases}
\end{displaymath}

粒子に働く力に関連した処理

基本セルとイメージセルの区別なく力がおよぶ範囲の全ての粒子からの力を考慮する。





l8cm \includegraphics{figure9.eps}



カットオフ半径:$ r_c$
通常 $ r_c<L_1,L_2,L_3$
注:イメージセルを含めた全ての粒子間についての距離
$ r_{ij}=\vert\vec{r}_{i}-\vec{r}_{j}\vert$ を計算する必要はないので、 要領よく$ r_{ij}$ を計算する。




(1)         $ \vec{r}_{ij}=\vec{r}_{i}-\vec{r}_{j}=$ \begin{displaymath}
(
\begin{array}{c}
x_{ij}, y_{ij}, z_{ij}
\end{array}
)
\end{displaymath}
    $\displaystyle \vert x_{ij}\vert<r_c
\longrightarrow \vert y_{ij}\vert<r_c \longrightarrow \vert z_{ij}\vert<r_c$ (141)
    $\displaystyle \hspace{1.8cm}(2) \hspace{1.9cm}(2)$  

(2)         $ \vert x_{ij}\vert>r_c$ のとき

$\displaystyle \quad \begin{cases}
 x_{ij}>0 & ならば \quad x_{ij} \longrightarr...
... ならば \quad x_{ij} \longrightarrow x_{ij}+L (\equiv x_{ij}^{N})
 \end{cases}$ (142)

    とする。 新しい$ x_{ij}^N$ を用いて再度(1)の$ \vert x_{ij}\vert$$ r_c$ との比較を行う。
$ \vert x_{ij}^N\vert>r_c$ ならば力は働かないとする。
通常$ L>r_c$ なのでもともとの$ x_i,x_j$ が共に基本セル中にあれば、
$ x_{ij}^N$ を調べれば十分である。

(3)         $ \vert x_{ij}\vert<r_c$ かつ $ \vert y_{ij}\vert<r_c$ かつ $ \vert z_{ij}\vert<r_c$ についてのみ次の式を計算する。

$\displaystyle x_{ij}^2+y_{ij}^2+z_{ij}^2 < r_c^2$ (143)

を満たす$ ij$ の組の間に力が働くとする。この$ ij$ 粒子間の力を計算する。


next up previous
Next: 基本並進ベクトル, 逆格子ベクトル Up: jj-kougi Previous: 11 数値積分
Copyright (C), Tatsuki Oda (oda@cphys.s.kanazawa-u.ac.jp, Kanazawa University)