next up previous
Next: 10 多粒子系の運動方程式 Up: 9 実習課題 Previous: 9 実習課題

9.1 補足

速度に比例する摩擦がある場合のベルレ法



速度に比例する摩擦がある場合は、下記のような方法でその効果をベルレ法に 取り入れることもできる。

$\displaystyle m \frac{d^{2} x}{d t^{2}}$ $\displaystyle =$ $\displaystyle F - \gamma \frac{d x}{d t}$ (90)

速度に比例した力が、速度とは逆向きに働く形で入っている。 $ \gamma$ は、摩擦の大きさを決めるパラメータである。 式(90)をベルレ法つまり式(72)(73)を用いて 差分化式にすると
$\displaystyle x(t+\Delta t)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \frac{2}{1+\eta} x(t) -
\frac{1-\eta}{1+\eta} x(t-\Delta t) +
\frac{1}{1+\eta}\frac{(\Delta t)^{2}}{m} F(t)$ (91)

となる。ここで、
$\displaystyle \eta$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \frac{\Delta t}{2 m}  \gamma$ (92)

である無次元量である。このようにすることで、速度のデータがなくても 位置座標の漸化式が計算できる。速度のデータは、もちろん式(73) から計算する。 摩擦を導入して粒子の運動を追いかけていくと、エネルギー($ E$ )が考えている 系から散逸して、運動エネルギーやポテンシャルエネルギーが徐々に失われて 行く。





next up previous
Next: 10 多粒子系の運動方程式 Up: 9 実習課題 Previous: 9 実習課題
Copyright (C), Tatsuki Oda (oda@cphys.s.kanazawa-u.ac.jp, Kanazawa University)