小田グループ

研究内容

小田グループでは、物性理論および計算物性物理学分野の研究を行っています。研究対象はさまざまですが、近年では、ナノ科学(対象スケール)、磁性(基礎理論)、第一原理分子動力学(研究手法)の3つのキーワードに重複する課題を中心に研究を推進しています。

人間社会へ貢献するという意味(産業界への応用)では、次世代エレクトロニクス(スピントロニクス)分野における基礎物理の解明を目指しています。計算機の特性を生かして、スピントロニクス材料の探索を行っています。例えば、磁性材料の探索があります。

本研究室では、元来『自然現象の解明』が大きな研究テーマです。物性理論、計算物性物理学、コンピュータを駆使して解明に取り組みます。課題研究においては、世界に誇る研究室の強みを活かした研究テーマを学生さんに推薦しています。例えば、左上の集合図の3つのテーマが重なる部分が最もお勧めです。
学類(学部)課程の学習から大学院課程での研究へと比重が移って行きます。学生さんの研究活動は、学術研究の推進とともに、新たな課題へ挑んでゆく力を養成する学生さんの鍛錬の場です。その場で研鑽を積み成果を上げることは、とりもなおさず社会で役に立つ力を獲得できたことになります。

先端的研究を行うためには、独自の研究手法の開発が欠かせません。研究上必要な計算コード開発(プログラミング)も並行して推進しています。計算結果の可視化にも力を入れています。特に、大型計算機を用いて新たに高度化・高速化された計算の開発は、研究室の重要な研究テーマの1つです。例えば、並列プログラミングの高度化があります。

詳しくはこちらをご覧ください。

研究分野:物性理論、計算物性物理学

第一原理分子動力学(磁性体なども含む)

  • 磁性クラスター(鉄、酸化鉄、鉄白金)
  • 液体酸素

第一原理電子状態計算

  • 極限状態(超高圧下)での物性
  • 構造相転移、固体酸素
  • 超伝導
  • カーボンナノチューブ
  • 磁気異方性(ナノスケール磁性)
  • 表面電子状態(ナノ構造表面)
  • ラシュバ効果

磁気異方性の理論的研究

  • ナノ構造の磁気異方性
  • 電場による磁気異方性制御に関する研究
  • 高密度磁気メモリ開発を指向した研究
  • スピントロニクス材料の研究

ファン・デル・ワールス相互作用

タイトバインディング分子動力学

  • オーダーN法
  • カーボンナノチューブ

遷移(磁性)金属を含む生体分子の電子状態

磁性理論

相転移

計算コードの開発

  • 並列計算
  • 超並列計算
  • 大規模計算
  • MPI並列

可視化

  • 分子動力学結果の動画作成

研究成果

以下のページをご覧ください。

研究成果

出版論文

配属を希望する学生へ

本研究室では、学生さんにできるだけ世界最先端の研究手法や研究課題に挑戦してもらっています。もちろん教科書に書かれている基礎事項は、よく勉強してもらうことになりますし、計算機のことについても分かっていないよりは分かっている方がよいです。学生さんには得意なことに磨きをかけて、先端的研究の一翼を担ってほしいものです。
研究室で行う研究において、授業科目はどの科目も重要ですが、学部の専門科目では量子力学、古典力学(できれば解析力学も)、熱統計力学が普通に必要となります。計算機シミュレーションにおいては、計算機上で模擬実験を行うことになるので、計算実験や物理実験といった実験科目で実験的センスを磨いておいてほしいものです。小田研究室を希望する学生さんは、時間的余裕があればの話ですが、固体物理学分野の書籍を読んでおくとよいです。

  • キッテルの固体物理学入門(上・下)
  • ザイマンの固体物理学